過払い金請求

過払い金とは?

借金返済の際に、法律で定められている上限金利を超えて、金利を支払っていた場合の金額のことで、債権者側に返還請求を行うことで返金されることがあります。

2000年6月1日以降、貸付側に罰則無しで定められている上限金利は20%となっており、それ以前に20%を超える金利を支払っていた場合は、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金請求の期限

過去に支払っていた借金に過払い金があるのなら、急いで過払い金請求の手続きをしたほうが良いです。

過払い金請求には時効があり、借金の完済後10年で過払い金返還請求権が消滅してしまうからです。

10年近くも前のことを詳細には覚えておらず、記録も残っていないために、過払い金請求に踏み切れないといったこともあるでしょう。

その場合、貸金業者に取引履歴の開示請求をすることができます。

貸金業者には、取引履歴を10年間保存し、開示請求に応じる義務があります。

そのため電話1本でも簡単に開示請求が可能です。

ただし、貸金業者によっては開示請求から実際の開示までに数ヶ月かかる場合もあります。

そのため、時効が迫っている場合は開示までの間に時効になる場合があるため、急いで調べることをおすすめします。

少なくとも、過払い金請求には時効があるということは覚えておいてください。

過払い請求の流れ

ここで、実際に過払い金の返還請求を行う場合の流れについて説明していきます。

  1. 専門家への依頼
    過払い金請求を行うなら、弁護士に相談することで手続きを開始できます。

    弁護士への依頼が決定すると、弁護士から貸金業者宛に受任通知が発送されます。

    このとき、借金がまだ残っている場合は受任通知が債権者に到着すると、取立が止まります。

  2. 取引履歴の請求
    弁護士から、貸金業者に今までの返済の取引履歴が請求されます。

    貸金業者側は、この請求に対して応じなければ罰則を受けてしまうため、必ず開示されます。

    この取引履歴を元に、過去に過剰に借金を支払っていた形跡がないかを調査します。

  3. 利息制限法に基づく再計算
    取引履歴が弁護士の手元に届くと、利息制限法に基づいて本来支払うべきだった借金を再計算します。

    その結果、過払い金がいくらなのかがわかります。

  4. 弁護士と貸金業者で交渉
    法律上の過払い額を元に、弁護士と貸金業者の間で交渉します。

    交渉が決裂すると裁判になる場合もあります。

  5. 和解書作成
    貸金業者側が、返金に関して合意すると、弁護士と貸金業者との間で和解契約書が作成されます。

    裁判になった場合も数回の口頭弁論の後に、和解する場合がほとんどです。

  6. 過払い金の取り戻し
    貸金業者から過払い金が振り込まれます。

    通常は、一度弁護士に振り込まれ、借金が残っている場合は、他業者に対する借金の精算後、依頼者に振り込まれます。

    このとき、弁護士費用も差し引かれることが多いです。

請求の結果、消費者金融事業者・クレジット会社・貸金融事業者などの相手方が素直に応じれば和解となり、合意書が作成された後に過払金の返還が成立します。

和解が成立しない場合は、訴訟手続により返還を請求することになります。

手続きの期間

過払い金請求の手続きに掛かる期間は、依頼してから3〜6ヶ月が一般的な期間です。

ただし、この期間は貸金業者が和解交渉に応じた場合の期間となります。

過払い金請求は、約7割は和解で済みますが、貸金業者側が和解交渉に応じない場合は裁判所を通すことになるため、1年ほど掛かる場合があります。

裁判になったときの内容

過払い・過払金の返還を求める訴訟は「不当利得返還請求訴訟」と言い、簡易裁判所あるいは地方裁判所に訴状を提出して訴える必要があります。
※簡易裁判所の場合は口頭による訴えできます。

訴状には「当事者と法定代理人の住所・氏名、請求の趣旨、請求の原因、請求を理由づける事実と証拠」を記載することが定められています。

また、簡易裁判所か地方裁判所のどちらに申立てるかは、請求金額によって異なります。

慰謝料や弁護士等の費用を含めた請求金額、あるいは複数の相手先への請求金額をあわせたものが、140万円未満の場合は簡易裁判所へ、請求金額が140万円以上の場合は、地方裁判所へ申立てることになります。

訴状による訴えの提起を行うと、裁判所が訴状を審査し不備があれば補正をしなければなりません。

訴状が適切であれば、訴えを提起した日から原則30日以内に口頭弁論期日が決められ、相手方に訴状が送付されます。

裁判時で行われる話し合いの内容

裁判の口頭弁論では問題点・争点につき原告・被告双方が主張します。

それらの主張には「準備書面」という書類の提出が必要となります。

準備書面では「攻撃と防御の方法と、相手方の請求および攻撃又は防御の方法に対する陳述」を記載することが定められており、訴訟手続きは、訴状にはじまり続く反論も全て、書面で行わないといけません。

自分で申立てを行う場合には、複数回にわたり口頭弁論が開かれ判決が出るまで期間がかかること、法律や判例についてしっかりと勉強すること、各種手続きの書式と書き方についても理解する必要があります。

裁判にならないようにするには

過払い金請求は、通常、裁判をしたほうがより多く過払い金を回収できます。

しかし、個人の借入れの状況や希望(どれくらいの時間でどれくらい回収したいのか)、貸金業者によっては裁判をしなくても、和解交渉の段階で希望を満たす結果に至ることもあります。

そのため、過払い金請求の経験に長けた弁護士に相談すれば、個人のケースに合わせて費用対効果を考え、交渉に臨んでもらえます。

裁判を行うことになると、裁判に必要になる書類の入手や記入など、想像以上に私生活を圧迫する手続きを行わなければいけません。

そのため、書類や裁判に出廷する手間を取る必要がない、和解交渉の段階で話を終わらせることが一般的です。

なにより、裁判になることで手間が掛かるのは、貸金業者側にも言えることです。

貸金業者側も、裁判で時間を取られたくないため、あまりにも無茶な和解案でなければ、大抵の場合和解に応じてくれます。

むしろ、貸金業者側からの和解案を提案されることもあります。

そのため、過払い金請求の裁判をしたほうがいいのか、しなくて済むのかは個人で判断するよりも専門家に相談することをおすすめします。

このページの先頭へ